「個性を大切に」とか「個性を尊重」とかいうことを良く耳にする。
いろんなレベルの個性があると思いますが、明らかに人と違うことだけではないと思います。
日本舞踊の名取さんと話していた時のことです。
踊りは伝統的なもので型が決まっている。
でも踊り手によって全然表現方法が違うのだとか。
好みも人それぞれなのだそうです。
素人である私に区別がつくかどうか微妙なところだと思います。
でも見る人が見れば、同じ演目であっても明らかに違うものになるのだそうです。
日本の伝統芸能はそういう部分が多いのではないでしょうか。
建築も同じようなことが言えるのではないでしょうか。
派手な形や色を使って個性を主張しているのだという建築。
珍しい形や奇抜なものを求めるのではなく、
敷地や機能を熟考して機能を考える。
目的が満たされるのであれば、形はありふれたものでも良い。
その上で空間の高さや開口の大きさを検討する。
それを積み重ねるうちに個性のある設計が出来るのだと思います。