日本らしさとは何かということを考えることがあります。日本人は手先が器用だとよく言われます。日本らしさ(日本人の特徴)の一つに、「あるモノを輸入してそれに工夫を凝らして違うモノに仕上げる技術を持っていること」というのがあるのではないでしょうか。
建築の歴史を見てもそれはあてはまると思うんです。例えば京都にあるお寺。寺院建築の原型はすべて中国からの輸入です(極めて大雑把な言い方で専門の先生には怒られるかもしれませんが)。それを日本人の大工の棟梁が細かい所まで工夫を凝らしてあれだけの綺麗な建物に仕上げているのです。そのための道具もいろいろ開発しています。それらのお寺は中国のお寺とはかなり違ったモノになってます。元々の様式は同じかもしれないけれどその完成度の高さにはもの凄い差があるんです。結果として日本独自の様式になっているんです。基本的な原理を考えるのはあまり得意ではないのだけれど、それらにもの凄い工夫を加えて違う物を創り上げるのが日本人なのではないかと思うんです。自動車の世界でもそうだと思いませんか?基本的な原理はヨーロッパ発明されたモノだけれど、日本車にはいろんな工夫が施されています。そういう意味ではトヨタのプリウスなんて極めて日本らしい車だと思います。