「こだわり」のコーヒーと建築

 先日完成したばかりのテーブルでこだわりのコーヒーを飲む。これぞ至福の時です。

 嫌煙家である僕は、休憩の時や設計で納まりを考えるときにはいつもコーヒーを飲みます。コーヒーを飲むと頭がスッキリして良い発想が出きるような気がします。そんな僕はコーヒー豆にはこだわっています。自家焙煎の店「七福」のコーヒー豆でないと落ち着きません。以前はいわゆる大手メーカーの豆を使っていました。おなじコーヒー豆でもそれらはまさに「似て非なるモノ」です。「七福」のコーヒー豆は決して安価ではないのですが、お金を出すに値する深みがあります。マスターの人柄も表れているんじゃないかと思います。また、聞けばマスターはコーヒーについてすごく勉強しているそうです。

 建築も同じなんだと思います。設計者が普段いかに勉強して、より豊かな空間を創造出来るかが大事なことだなんだと思います。そしてその空間には何よりも設計者の人柄が表れているんだと思います。その結果出来る空間は大手メーカーの造るモノとは違う深みを持っているんだと思います。

僕も建築が大好きです。だからより深みのある空間を皆さんにご提案出来るように、常日頃勉強しています。そして何よりも深みのある人間になれるよう心掛なければ・・・。

僕の設計する建築に対してお施主さんが「こだわり」を持っていただけると最高ですね。

「感じる」こと

 僕がいつも気を付けているのは、「感じる」ことです。普段見慣れているはずの街を歩いていても、なんとなく綺麗だなぁと思うことがあります。その時たまたまそう感じるのですが、その後同じ場所を通ってもやはり綺麗だなと感じる様になります。「発見」に近いものがあります。

サッカーやいろんなスポーツでも「感じる」ことはすごく重要なことらしいです。良い選手は何がベストかを瞬時に感じ取りそれを実行してスーパープレーを生み出すんだそうです。

建築の設計でもそれはすごく重要だと思うんです。まず、施主さんと会って人柄を感じる。そして敷地を見て何かを感じる(何を感じるかはケースバイケースです)。そこからその施主さんのためのその敷地に建つオリジナリティ(個性)のある空間の設計が始まるんです。もちろんその上に技術とかを積み上げていくことも必要です。良い空間が出来るかどうかという出発点は、その時にいかに素晴らしいことを感じて発見できるかどうかだと思うんです。鋭い感性をも持つ建築家になりたいものです。

バーベキュー大会

 高校時代の野球部仲間とと毎年恒例のバーベキュー大会をやりました。普段スイッチ一つで何でも出来てしまう生活をしていると炭をおこして調理をするというのはすごく贅沢な気がします。実際に電気やガスで焼くより格段に美味しいし。炭火焼きの子持ちししゃもは最高ですよ。

それから僕の得意技はダッヂオーブン!   といっても火加減係ですが(注:でもダッヂオーブンはそこがすべてを決めるんです)。パンやピザを焼きます。特にピザは好評です。生地がカリッとしてて絶品です。

話は戻って、炭をおこして調理をするというのは昔は当たり前だったんですよね。お釜で炊いたご飯なんて最高なんでしょうね。手間がかかるし危険だからやめちゃったんですよね。家事がたいへんだからみんな電気釜やガス釜になったんですよね。

建築も同じなんですよね。新建材が出てきて左官屋さんの仕事が無くなった。時間とコストがかかるというのが最大の理由だったらしいです。手間がかかっても左官仕上げの方が暖かみもあるしすごく良い仕上げだと思うんだけどな。左官材の持つ質感とかアジとかは評価の対象にならなかったのでしょうか。

でも、今は健康素材としてケイソウ土や漆喰などが再び脚光を浴びていることは嬉しい限りです。

最近、大量生産・大量消費の問題点が浮き彫りになってきている様な気がします。みんなが本当に良いと思うモノを選べる時代が来るとよいです。

テーブル造り

 今年のゴールデンウィークは飛び石の休みです。普段忙しくて後回しになっていた、懸案のダイニングテーブル造りに励むことにしました。26日から3日間かけて完成しました。これまでの我が家のテーブルは「食事をする台」としては事足りていたものの、少し味気ない量産品でした。食事の度になにか寂しさを感じていたのです。ローコスト化するため、天板は杉のフローリング用の厚板をつなぎ合わせてつくります。脚も杉の角材でオール杉の無垢のテーブルです。仕上げは僕にとっては定番となった、蜜蝋(蜂の巣から取れて体に害の無いWAX)を塗りました。テーブルは本来堅い木でつくるのですが、今回は傷が付くのは覚悟の上。それよりも手触りの柔らかさが欲しかったのです。

杉の柔らかい風合いと芳香は、普段の料理をすごく美味しく感じさせてくれます。空間も同じですよね

いずれ、これは商品化出来そうだなどとみんなに言いふらし、自画自賛も忘れませんでした。

キャッチボール

 設計の仕事って現場に行くときはすごくハードなんだけど、事務所で図面を描いている時はすっごい運動不足になるんです。ましてや高校まで野球部に所属していた私はじっとしていると人並みならぬストレスが襲ってくるのです。夜中11:00にどうしても運動したくなってボールとグローブ持って一人で壁相手にキャッチボールしていたんです。きっとかなり怪しかったと思うんですが。そこへマンションの隣の部屋に住む滝沢さんが仕事帰りに通りかかって。キャッチボールをする事になりました。今まで知らなかったんですが滝沢さんも大の野球好きらしかったんです。夜中にオッさん2人がキャッチボール。ますます怪しいですよね。でも僕は嬉しかったんです。今までずっと探していたキャッチボール相手が見つかったんです。運動不足も解消されて大満足でした。

ケヤキのテーブル

 先日足助の方にある、あるお店でケヤキの無垢板(800×1500程)を3000円で仕入れました。もちろんマトモな材料がそんな値段で分けてもらえるはずもないです。「バチ」といって板の厚さがどんどん薄くなってしまっているのです。厚いところでは8センチ程度、薄いところでは3センチ程度です。だから高級座卓には成り得ないのです。でも無垢は無垢です、本物です。これを2日間かかって、サンダー(電動ヤスリ)で磨き上げました。ケヤキは狂いが大きいので脚は固定せず、3本の丸太の上に置いています。僕にとっては立派な座卓に成りました。

八勝館

 今日は名古屋市昭和区八事にある料亭「八勝館」について。私のような者が日常的に料亭なんて利用できるわけないのですが、ある人の結婚式で八勝館を訪れたんです。なんで八勝館なのかというと、その中にある「御幸の間」という部屋が素晴らしいんです。茶室の研究で有名な建築家、堀口捨巳先生の設計なんですが、シンプルで線が細くて広がりがあるんです。庭も素晴らしいし、本当に感動します。料理も凄く繊細で美味しいんです(料亭だから当然なんですが)。料亭と聞くとちょっと敷居が高いように思いますがちょっと頑張れば手は届きます。日常的には無理でも、ちょっと背伸びして訪れてみる価値は十分にあると思います。どうですか、みなさん。

カタカナことば

 最近意味の分からないカタカナ言葉が多いと思いません?「プライマリーバランス」って何なんだ???解説を読んでやっと意味が分かったんだけれど、直感的に意味が分からない。そういう言葉を使っているのは、学者や研究者などが多いのでは。僕は、「彼らは頭いいんだから日本語でわかりやすく言えば良いのに」と思っていました。でもよく見れば僕も3月20日の日記で「コスト」と言ってました。直訳では「費用」という意味になってしまうんだろうけど、ちょっと意味が違うと思ったのです。もう少し含みを持たせたかった。日本語にしてしまうとどうも一つの意味になってしまう気がして、ついカタカナにしてしまいました。多分、学者や研究者も同じように意味に含みを持たせたいから横文字を訳さずに使うのだろう、と思いました。でもやっぱり極力日本語に訳して使ってくれた方がわかりやすいと思うのは僕だけだろうか?新聞記者の松田さん(平成14年1月26日、2月4日の欄参照)に意見を聞いてみたいモノです。

実施設計2

 今も継続して中庭のある家の実施設計をしています。 今日、図面を一部書き直しました。部屋の天井高や窓の高さ、玄関から床への段差がどうしても気になったからです。空間の気持ちよさは、部屋の水平方向への広がりと天井高のバランスの良さから決まってくるのだと思うからです。その部屋にどんな光を取り込むのかも重要な要素です。天窓なのか、地窓なのか、高窓なのか。だから、窓の高さを決めるのは凄く難しいです。そこに建築コストも考慮しなければなりません。窓の高さは大きくしすぎてもコストが上がります。いかに安くいかにいかに良いモノを創るか。この点においては大企業でも、小さな設計事務所でも同じなんです。

実施設計

 今、中庭のある家の実施設計をしています。アルミサッシや便器など設備器具のカタログやら、設計に関する様々な資料を広げて図面を描いているといつの間にか、カタログの山が出来上がっています。これらは工業製品で性能も安定しているので、性能的には安心して使えます。

 でも、気を付けなければいけないのは、建物がこうした工業製品の単純な組み合わせになってしまうことです。カタログから選んで部品を組み付けていく。そんな設計は、心配もなくラクです。でも、そんな工業製品だけで出来た家なんて何の魅力も無くなってしまうのではないでしょうか?大工さんや左官屋さんなど職人さんの手作業が分かる部分をどこかに残したいものです。それによってどこか気持ちのよい空間が出来上がるのだと思います。